批判

あらすじを要約すると以下のようになる。

モトーラ世理奈演じる奈央は父親の再婚相手である綾と台湾旅行をすることになる。そこには思いがけない出会いが待っていた。

が、これは正しいあらすじとは言えない。言うなればこうだ。

モトーラ世理奈演じる奈央は父親の再婚相手である綾と台湾旅行をすることに!なんでよく知らない女性と旅行しなければならないの?と思いつつも台湾には美味しいものがいっぱい!豆花(とうふぁ)が最高!現地での人との出会いを交えながら台湾の魅力を伝えて行くよ〜

もうね、旅行で美味しいものを食べる町歩きバラエティ番組。そこにストーリーがちょこっとついたとても劇映画とは言えない代物。まぁ監督自身も劇映画にしようとしてないらしい。

しかし劇映画だと思ってみてしまう、そして食べ物の説明キャプションが出てきて興ざめ。まるでテレビの旅番組のように気持ちが独白で語られ、腹話術もどきや紙芝居が登場して、美味しいもの特番と思っていてもインサートもなく奈央が美味しそうに(あるいは不味そうに)食べる姿を映すだけ、今度は写真のスライドショーが始まったり、かと思いきや途中から音楽が絡み出してMVが始まってしまう。

台湾のいいところを抜き出したらしいけど、唐突で観る側の感情移入を許さないとってつけたような劇展開を"出会い"と形容して台湾良いと言われても薄っぺらくてとてもしんどい。中途半端すぎる。短編にすれば良かったのに。

感想

監督の舞台挨拶では、最初は消えた姉を台湾に探しに行く妹(モトーラ世理奈)の話になるはずが、台湾でロケハンしたり現地の人と話してるうちに延々と鳩の話をする人とかシンガーと出会ってもう自分の知る台湾のいいところを伝えることにしよう、バラエティと言われてもいいからキャプションも入れてしまおうと舵をきったと聞いた。

なるほど、要するにやりたいことがブレブレの失敗作、台湾好きの台湾好きによる台湾とモトーラ好きのためのビデオということなのだと理解した。

それでも劇場にいる人からすると評判は悪くないみたいで楽しそうだった、監督のトークがちょっと良かっただけかもしれない。映画を見てるというよりは食べ物とか九份をみて台湾行きたい〜みたいなそういうノリのようで。

後味

見てるときはもう退出したくなったし、見終わってもやはりとにかく酷いと思ったけど、舞台挨拶で製作の話を聞いていると、なんだか不思議と許せてくるというのか、実はあの役の人は台湾で会って〜スチールもやってもらって〜1日の食べる量がすごかった〜みたいに聞く話が面白いとまぁいいのかもなって思えてきた。

特にこの映画では、現地の人を出演させたり素人を出したりも含めてこの世界とは別の世界の出来事としてフィクションを作り上げるスタイルと対極にあるからこそ、映画の裏話的なものに味が出たように感じたのかもしれない。