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ラーメン一蘭は未来だ
ラーメン一蘭、これはいつの時代の飲食店だろうか。
一蘭を一蘭たらしめているのは何と言ってもその店舗システムだろう。カウンターに客が横並びになりラーメンを啜るのは通常のラーメン屋と同じであるが、座席の両サイドには仕切りがあり、前も簾がかかっておりこれはラーメンが提供される時などに上がる。これを味集中カウンターと呼ぶ。一蘭は人気店であり、客が並ぶこともしばしばだ。しかし客が並ぶ場所は味集中カウンターとは別の空間であり、味集中カウンターの入り口には空席状況が表示されている。
非日常的没入時間
このシステムの何が面白いかといえば、非日常的没入時間を提供していることではないかと思う。
没入時間はわかりやすいと思う。3方を仕切りで囲まれて一度ラーメンを啜ろうと口を丼の上に移動させれば視界には余計なものが入らない。スマホなど余計なものを入れても良い。でもそれは自らの手に委ねられている。
非日常性に関して、これはあなたの日常的な食事が自炊でも外食でも関係ない。自宅のような完全なプライベート空間でもなく、飲食店の個室のような他の客と仕切られるシステムでも、回転寿司のような食事が転院を介さず提供されるシステムでもない、一蘭システムは、他の客や店員と限定的に空間を共有しつつも顔を見せ合うことがないために匿名的に振る舞うことを可能とするシステムだ。しかしその振る舞いは完全に自由なものではない。私はここに非日常性を見出した。
味集中
非日常的没入について吟味することで気づいたかもしれないが、味に集中することは我々の生活において特異的な行為ではないだろうか。“味わって食べる"は能動的なものでいついかなる場合においても達成できる、“口に運ばれてくる料理が全て"と考えてしまうかもしれないが、それは偽だろう。
食事の仕方は様々な変遷を経ていくつも形作られてきたのだろうが、一蘭システムを鑑みるとまだ体験せぬ食事形式があるのではないか、と未来を感じてしまうのであった。
P.S.
内装にはどこかレトロさを感じる、論理的には未来を想うが直感的には現代じゃないいつかを感じてるのかもしれない