1. 『由宇子の天秤』
  2. 『サマーフィルムにのって』
  3. 『あんのこと』

の 3 本立てでした。2 つ目だけ作品としての毛色が違いすぎる。 たった数時間の間に Odessa で SHOW-GO のボイパを 3 回聴くというのもまた稀有な体験。

『由宇子の天秤』

ドキュメンタリー監督兼塾講師の由宇子が真実を追い求め正義を全うしようとするお話。

劇中では由宇子がカメラを構えて証言を記録するシーンが度々登場する。 真実を追求するにあたって、カメラの主たる特徴の一つ「記録性」は強力な武器となる。 しかし、真実の提示を目的とする場合は、二次情報ではなく一次情報としての"決定的瞬間"でなければその強度に雲泥の差が出る。 近年では生成 AI の発展による Deep Fake も無視できない。

ところが、濱口監督の「他なる映画と」のまえがきでは、映像=証拠と素朴に信ずることができなくなる事態に際して 「実写の有効性と(究極的には)経済性が却って浮かび上がるのではないか」と仄かに期待していると書かれている。

ラストのショットはすごい。

『サマーフィルムにのって』

女子高生が時代劇映画を撮る恋愛ファンタジー?

『由宇子の天秤』『あんのこと』を続けてみるのは大変厳しいものがある。中和効果抜群。 倍速再生、ファスト映画へのアンチテーゼとしての面もあり良き。

キャスティングが良すぎる。

『あんのこと』

シャブ中の杏が人生を取り戻そうともがくお話。

  • 親が住む 4F(?) の部屋までの階段を登る
  • 懸命に勉強に取り組みシャーペンを振る
  • 介護施設で車椅子の高齢者の脚をフットサポートに乗せる
  • 危ないからダメよとかご飯を食べさせるといった子供の世話

こういったシーンが繰り返し映し出されていく。 杏が日記をつけるのと重なるように河合優実の身体行為が観客の中に積み上がっていく。 それが危険に晒されて観客は自らの救いを求める。

佐藤二郎、河合青葉も名演。

P.S.

なぜかオールナイトについてのテアトル新宿のページが消えてしまっている。。